こんにちは、鉄道旅行と国内一人旅が好きなハヤマです。

今回は少し鉄道技術の視点から、鉄道車両の「動力」をテーマに書いていこうと思います。

 

動力というのは車でいうエンジンに当たる部分ですが、鉄道車両においては

  1. 1つの車両に動力を集中させる「動力集中方式」(機関車)
  2. 複数の車両に動力を分散させる「動力分散方式」(一般的な電車)

の2つの種類があります。

一般人からすると何が違うのか分からない鉄道雑学ですが、今回はそんな動力源の違いについて分かりやすく解説していきます。

動力集中方式とは?

動力集中方式というのは、文字通り列車を動かす動力源が1~2両に集中している列車のことを言います。

動力集中の代表的な列車は「蒸気機関車(SL)」や「貨物列車」、「従来のブルートレイン」などです。

 

先頭の1両が後の車両を引っ張っていく感じであり、後方の車両は動力源を持たない貨物車・客車となっています。

牽引自動車をイメージすると分かりやすいかと思いますね。

 

動力集中のメリット

動力集中のメリットは、動力源+客車・貨物車という形なので自由に客車や貨物車を組み合わせることができる点です。

客車は動力源・走行機器等を持っていないため、連結・分離も1車両単位から柔軟に対応できます。

 

万が一、故障した場合でも動力源の機関車を調べればよいので、長大編成でもメンテナンスにかける時間が少なくて済みます。

 

また、動力源の機関車を変更すれば、電化方式や非電化の有無にかかわらず他路線への乗り入れができるため、主に長距離輸送で用いられることが多いです。

現在でも貨物列車が動力集中なのは、そのような車両増備の柔軟性と運用コストにおける優位性が関係していると言えます。

 

動力集中のデメリット

動力集中は動力源の車両に走行機器が集中するため、機関車の重量が極端に重たくなるというデメリットがあります。

 

一般的な電車1両あたりの重さは平均35トン~45トン前後ですが、機関車は1両あたり70トン~100トン前後と倍以上の重さです。

車両が重たくなるとレールへの負荷や衝撃も大きくなるため、線路によっては地盤の強化や追加の保線作業が必要になります。

 

また、動力集中の列車は動力分散方式に比べると、列車編成に対して動力車やブレーキ装置の割合が少ないため加減速性能では劣ります。

物理学上、静止している物体を動かす際に最も大きな運動エネルギーを必要とするため、発進・停車を何度も繰り返す運用には不向きです。

 

それ故に、現代の通勤電車には動力集中方式の列車が少ないのです。

 

動力分散方式とは?

動力分散方式とは、動力源のモーターや内燃機関を搭載している車両が、列車編成の大部分を占めている列車のことを言います。

日本の通勤電車および新幹線は、この動力分散方式の列車が主流となっています。

 

動力分散のメリット

動力分散は各車両に動力源が付いているため、動力集中に比べて加速力や勾配の走破力に優れています

 

特に、日本の場合は国土が狭く山の多い環境にあるので、急カーブや上り勾配に対応しやすい動力分散の方が適していることが多いです。

通勤電車においても列車の加減速性能が運転ダイヤに影響を及ぼすため、動力分散の方がラッシュ時のダイヤにも対応しやすくなります。

 

また、車両の重量が動力集中の機関車に比べて軽く、レールや地盤への負担が小さいため、高速走行や制限速度の引き上げが可能となります。

日本の新幹線で見ても、運行本数が多く駅間も海外の高速鉄道に比べると近いため、高速走行と加減速性能で優れる動力分散が用いられているのです。

 

動力分散のデメリット

動力分散は列車編成の大部分に動力設備が付いているため、車両故障が起こると動力車全ての車両をチェックする必要があります。

そのため、ちょっとした車両トラブルでも、原因がどの車両にあるのか発見するのに時間がかかるのがデメリットです。

 

また、動力車や制御機器を搭載する以上、1両あたりにかかる製造・メンテナンスコストが客車に比べて高くなることもデメリットと言えます。

 

ただ、現代の動力車は車両数が多くても規格が統一(大量生産)されているため、必ずしも動力分散が不利という訳ではありません。

特に、日本は昔から動力分散の技術開発に積極的だったということもあり、現在では動力分散のデメリットは薄れつつあると言えます。

 

例えば、JR東日本のクルーズトレイン「四季島」は動力分散方式の列車ですが、電車と気動車の両方の機能を備えており、電化方式にとらわれずどこでも走ることができる列車です。

 

まとめ:日本では貨物を除き分散方式が主流

このように動力集中と動力分散では車両重量や運用の柔軟性、列車性能などが異なり、それぞれ向き不向きがあります。

動力集中はどちらかというと長距離・貨物向きで、分散方式は短距離・通勤電車向きといった感じですね。

 

現代の日本では貨物列車を除き殆どの列車が動力分散となっていますが、国土の広い海外では動力集中が主流の国もあるのです。

以上、鉄道の「動力」の豆知識でしたが、少しでも参考になれば幸いです。

 

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