鉄道ファンにとって度々話題となる鉄道路線及び車両の廃止ですが、近年は何故か、廃線・廃止が決定した直後に利用者が急増するという例が増えています。

普段は全く利用者がいないのに、廃線前になった途端に人が殺到するその様子は大きな矛盾かつ皮肉とも言える事態です。

いわゆる「葬式鉄」という存在ですが、今回はなぜ廃線間近になると人が集まるのか、その理由について考えていきたいと思います。

廃線間近に人が殺到する理由

メディア等で注目を浴びる

廃線が決定した場合、今まで見向きもされなかったド田舎のマイナー路線であっても、メディアやSNS等で注目を浴びるようになります。

かつての廃線の情報と言えば、地域沿線の人と一部の関係者だけが知っていたことですが、今では廃線が決まったと同時にその情報がメディアやインターネットを通じて全国に拡散されるようになりました。

特に、近年はSNSの普及によって、情報の拡散力が大きくなったことも影響していると言えるでしょう。

そのため、現状廃線が決まった路線は廃線決定前に比べて格段に知名度が上昇します。

 

実際、いつ廃線になってもおかしくはない鉄道路線は全国に数多く存在しますが、余程の鉄道ファンでない限り、全国全ての鉄道事情を把握している人はいないでしょう。

どんな人でも知らない路線や、例え知っていても詳しいことは忘れてしまっている路線もあるかと思います。

現に、鉄道好きの私も、廃線のニュースを見て初めて「そんな路線もあったのか」と知ることもあります。

廃線の決定後にその路線が全国規模で一躍有名になってしまうことが、利用者が急増する理由の1つと言えるでしょう。

 

希少性と付加価値が発生する

当たり前ですが、廃線・廃止した後にその路線を走る列車には二度と乗れなくなるため、廃線が決まった場合、その路線を利用できる時間は有限となります。

実際に乗ることができる時間が限られてしまうと、「いつでも乗れる」という感情から「もう乗れなくなる」という感情になってしまいます。

「いつでも乗れる路線」と「もう乗れなくなる路線」のどちらに乗りたいかと問われた時に、どちらに乗りたくなるかは明白でしょう。

これは日常の消費活動でいう「限定商品」と同じ感覚であり、心理的な側面も関係していると言えます。

 

実際に廃線が決まると、必然的にその路線には「もう乗ることができない」という付加価値が加わります。

そうなった場合、鉄道に興味のある人はもちろんのこと、普段はあまり鉄道に興味のない人でも「無くなる前に一度乗っておこう」と行動に移す可能性は十分考えられます。

また、車両や沿線風景の撮影を目的とした場合でも、廃線・廃止後には二度とその写真を撮るこができません。

熱狂的な鉄道ファンであれば、例えどんなに距離が離れていようと沿線まで駆け付ける可能性だってあります。

そのため、廃線決定後はそれら希少性や付加価値に惹かれて、自然と人が集まってしまうのです。

 

まとめ

このように廃線の決定後に利用者が増える現象は、廃線決定による知名度の上昇と、廃線に伴う希少性及び付加価値の上昇といった理由から発生しています。

特に、廃線の情報が瞬く間に拡散される現状においては、廃線決定後に利用者が増えるのはある程度仕方のないことと言えるでしょう。

ただ、廃線間近になってその路線に殺到するのは鉄道ファンとして矛盾した行為だと思うので、個人的にはあまり良い印象ではありませんね。

理想は廃線が確定してしまう前、そして乗ろうと思ったらできる限り早くに乗るようにしましょう。