インターネットの普及と同時に急速に拡大している違法漫画サイト(脱法サイト)の問題。

特に、近年では「フリーブックス」や「漫画村」を台頭に、数々の脱法サイトがいたちごっこの如く登場しているため、漫画家や出版社は頭を悩ませています。

 

漫画産業や同人誌に興味のある私としても、とても悲しいニュースだと思うと同時に、それらは漫画産業を衰退させかねない大きな問題とも思っています。

今回は、そんな漫画の違法サイトの問題やその弊害について書いていこうと思います。

違法漫画サイトの問題

最も大きな問題となっているのは、違法サイトの台頭により、本来であれば対価を支払う必要のある物にお金が支払われず、日本の漫画産業や出版業界が衰退することです。

漫画家は1つの漫画を作成するために原稿やネームの作成、編集者との打ち合わせなど並ならぬ努力と労力を割いており、その苦労の末に絞られた一部の漫画作品だけが世に出まります。

また、基本的に単行本や雑誌が売れなければ、その作品の続編を出すこともできません。

 

そんな漫画に正当な対価が支払われなくなったらとどうなるでしょうか?

 

  1. 脱法サイトで無料で漫画が見れるようになる
  2. 苦労をして漫画を描いたのに漫画家に収入が入らなくなる
  3. 漫画家としては生活していけずに漫画家を辞める
  4. 新規参入者も減少する
  5. 漫画家が減るので出版社も大打撃
  6. 漫画産業全体の衰退

と負の連鎖となり、最終的には日本の漫画業界が衰退することになります。

もちろん、全ての漫画家がお金儲けのために漫画を書いている訳ではありませんが、そうは言っても最低限生活していけるだけの収入がなくては現実的に執筆活動を続けるのは困難です。

特に、専業の漫画家ほどそのダメージは計り知れない大きさと言えます。

 

何十、何百時間も費やして作成した漫画が無料で出回るようになったら、わざわざ苦労してまで漫画を描くのもバカバカしく感じる人も出てくるでしょう。

経済的にも精神的にも辛く、漫画家を辞める人が出てきたり、さらに悪化すれば「漫画家は全く儲からない職業」としてのレッテルを貼られ新規参入者が減ることも考えられます。

 

しかし、脱法サイトの閲覧がいくら増えたところで漫画家には一銭たりともお金が入こらず、すべては脱法サイトの広告収入と化すだけです。

「利用者が悪い」という声もありますが、現状、利用者側は脱法サイトを利用するデメリットが殆どないため、いくら利用者に辞めるよう訴えかけても完全に防ぐことは不可能と言えます。

やはり大元である「脱法サイト」そのものを潰さない限りは無意味であり、そのためには法律に関わる行政の力を頼らざるを得ないのが現状です。

 

漫画喫茶や古本屋との違い

漫画家からしたら漫画喫茶や古本屋なども同様に辛いという声が挙がっていますが、それらと違法サイトとはでは決定的な違いがあります。

 

それは、実際に単行本や雑誌が購入されているかいないかの違いです。

 

違法サイトの場合、合法化するためにネット上に落ちている画像を収集して作成するため、実際に単行本や雑誌を購入している訳ではありません。

最低限、画像を収集するシステムさえ構築すれば済むため、やろうと思えば漫画を全く購入しなくてもサイトの運営を成り立たせることは可能でしょう。

一方、漫画喫茶や中古本に並ぶ書籍に関しては、少なくとも一度は新品で販売されたものであるため、完全に白とは言えなくても違法サイトに比べれば幾分作者に還元されるだけマシと言えます。

 

そして、何よりも問題なのは「完全無料」であらゆる漫画が読めてしまうという状況であり、中には「漫画は無料が当たり前」という価値観を持つ人が出てくる可能性もあるという点です。

特に、生まれた時からインターネットがある若い世代であるほどこの傾向が強く、短期的には影響がないように見えても、中長期的に見れば漫画業界の衰退につながることは間違いありません。

これらの減少は現実問題として、漫画産業だけでなく、アニメ業界や音楽業界でも同様に言えることです。

 

まとめ:現状は法律でも完全には守れていない

インターネットはここ数十年で急速に発展してきた媒体であるため、法律に関してもまだまだ穴があり、違法サイトとはいたちごっこが続いているのが現状です。

「無料」というのは消費者としては嬉しいかもしれませんが、それが長期にわたって続くと結果として産業の衰退を招くため、私たち一人一人もその問題と向き合う姿勢は欠かせません。

ただ、どちらにしてもその根幹である違法サイトが無くならない限りは解決しないため、行政側も早期に取り締まりを行うことを祈るばかりです。