訪日外国人旅行者が利用できるフリー切符に「ジャパン・レール・パス」という商品があります。

これは破格の安さと全国のJR線を利用できる利便性、有効期限を兼ね備えた最強のフリー切符であり、鉄道好きの人からしたら羨ましいことこの上ないフリー切符でしょう。

特に、値段に関しては

  • 普通車用7日間:29,110円
  • グリーン車用7日間:38,880円

と、日本人が正規運賃で乗るのが馬鹿らしくなるレベルの安さであるため、その価格に関しては多々議論を呼んでいます。

今回は、なぜジャパンレールパスはここまで安いのか、その理由について書いていこうと思います。

ジャパンレールパスはなぜ安いのか?

外国人観光客は優良な顧客

訪日外国人の数は年々増加しており、鉄道会社からしたら膨大な数の外国人観光客は優良な顧客です。

これは鉄道だけでなく、飛行機や高速道路、レンタカーといった他の交通機関でも同様で、他も同じく訪日外国人の囲い込みのために事業を展開させています。

 

日本全国のJRに乗れる「ジャパンレールパス」を利用すれば国内の移動はこれ1枚で済むため、鉄道会社から見れば顧客の囲い込みが可能となります。

また、日本人観光客とは違って、外国人観光客は平日、休日かかわらず利用者がいるため、閑散期にも一定の収益が見込めることも特徴です。

そのため、ある程度価格を安く設定しておけば「日本国内の移動はこの一枚で十分」という観光客の需要を取り込むことができると同時に、他の乗り物に利用者を奪われるのを防ぐことができます。

 

仮にもジャパンレールパスが値上げしたら、国内の主要都市を中心に観光したいと考えている外国人は飛行機に流れることでしょう。

現に、ANAでは「ANA Experience JAPAN Fare」、JALでは「Japan Explorer Pass」という訪日外国人向けの格安運賃が設定されています。

東京=大阪(伊丹/神戸/関西)が片道7,560円と、大手航空会社の運賃としては破格の安さです。

 

そのようなライバルの価格設定を見ると、ジャパンレールパスもある程度安くないと利用者を獲得できない可能性があると言えます。

 

観光業への経済効果

ジャパンレールパス単体では利益が小さくても、それに付随する観光業への経済効果は計り知れない可能性を秘めています。

例えば、駅の利用者が増えれば、エキナカや駅ビル、周辺観光地への経済効果も大きなものとなります。

経済効果が大きくなれば、最終的に鉄道会社にも大きな利益となって還元されることになるでしょう。

 

日本全国の観光業に大きな経済効果をもたらすという意味でも、気軽に利用できるジャパンレールパスの存在は大きいです。

この点は国全体の政策も関与しているため、そう簡単にはジャパンレールパスを値上げすることはできないのではないかと思います。

 

必ずしも毎日移動する訳ではない

私のような鉄道旅行が大好きな人間からすると、そのようなフリー切符があったら間違いなく電車や新幹線に沢山乗りますが、外国人観光客の場合はどうでしょうか?

 

もしかしたら外国人観光客の中にも日本の電車が好きな人がいるかもしれませんが、訪日外国人の目的はあくまでも現地の観光です。

毎日電車や新幹線に乗りまくるようなことはせず、日本の主要観光地を訪れるための移動手段として利用することが大半です。

また、レールパスを買ったとしても、有効期限が切れるに帰国したり、有効期間内でも電車を殆ど利用しない日もあるでしょう。

 

必ずしもジャパンレールパス利用者が乗りつぶしを行う訳ではないために、価格を安くしていても利益を出すことができるのです。

 

まとめ:確かに安いが観光客の獲得には必要な手段

このようにジャパンレールパスの安さは、鉄道会社の囲い込みと、外国人観光客による観光業への経済効果を踏まえた上で、この値段となっていると言えます。

確かに安すぎるという思いは私もありますが、膨大な外国人観光客の顧客を獲得するためにはある程度の優遇が必要になるのは仕方がないことでしょう。

 

とはいっても、たまには日本人でも利用できるようなフリーパス・周遊きっぷがあってもいいのではないかとも思いますね。

現状だと周遊と呼べるのは、「北海道フリーパス」か「四国フリーきっぷ」などのエリア限定のものしかありません。

一昔前に比べると、圧倒的に乗車券ベースかつエリア限定の切符が増えたので「日本全国・特急乗り放題」なんてもう夢みたいな話です。

私のように日本人でも国内をじっくり観光したい人はいると思うので、少しぐらい日本人観光客に還元してくれても良いのではとも思いますね。