新幹線には「切符を買えばすぐに乗れる」という特徴があり、これは飛行機との競争において有利な要素の1つとなっています。

しかし、近年は「テロ対策」や「危険物対策」も大きな課題になっており、新幹線でも手荷物検査が必要かどうかの議論が行われるようになりました。

 

鉄道好きの私から見ても、現状の新幹線は車両や線路などの設備面の安全性は優れる一方、テロ対策や危険物対策の面ではまだまだ不十分であると言えます。

今回は、新幹線のテロ対策や手荷物検査を導入した場合に起こりうる変化について考えていこうと思います。

現状の新幹線について

現在、新幹線に乗るための手順は

  1. 切符を買う
  2. 駅の改札を通る
  3. 目的の新幹線に乗る

の3つの過程があります。

飛行機に比べると「すぐに乗れる」という点では圧倒的に優れており、切符の購入から乗車まで5分かからないことも珍しくありません。

また、満席でも自由席車両に飛び乗れば、最低限、新幹線に乗ることは可能です。

 

しかし、手荷物検査なしに誰でも気軽に乗れてしまうというのは、防犯面で見ると大きな欠陥があると言えます。

 

現状、新幹線の駅・車両共に監視カメラや警備員が配置されてはいるものの、荷物の中身に関しては誰も把握することができません。

やろうと思えば、車内に危険物を持ち込むことは容易であるために、テロや犯罪の標的となる可能性があります。

 

実際に2015年の6月には、新幹線にガソリンとライターを持ち込み焼身自殺を図った事件もありました。

また、2018年の6月には、車内で刃物を振りました男が人を切りつけ、3人の死傷者が出た事件もありました。

そのようなリスクがある以上、手荷物検査を導入した方が良いという声が出るのもおかしくはありません。

 

手荷物検査が導入されるとどうなるのか?

手荷物検査のメリットとしては、やはり新幹線の安全性をより一層高められるという点に尽きます。

安全性が高ければ信頼が生まれて利用者が増えるかもしれませんし、新幹線に対する世間の印象も良くなることでしょう。

 

それこそ「日本の新幹線は世界で一番安全な乗り物」と言えるようになります。

 

しかし、現状の新幹線を見ると、手荷物検査を導入することで多数のデメリットが発生するのも間違いありません。

以下で、考えられるデメリットを見ていきましょう。

 

乗車までに時間がかかるようになる

一番大きなデメリットは、やはり手荷物検査による手間が発生してしまうことですね。

現状の新幹線は、すぐに乗れるという点も優れていますが、このメリットが無くなってしまうのはかなりの痛手です。

 

また、新幹線は利用者の数も非常に多く、膨大な利用者を効率よくさばけるのかどうかも、飛行機の手荷物検査と同じようにいくのかどうかも分かりません。

利用者が多すぎて、長蛇の列ができる可能性も十分にあり得ると思います。

 

飛行機との競争力で劣る

手荷物検査が発生すると、従来よりも乗車までに時間がかかるようになります。

その影響が特に現れると思われるのは飛行機との競争が激しい区間であり、「4時間の壁」の概念も変わってくる可能性があります。

 

例えば、東京~広島は「4時間の壁」の代表的な境目ですが、現状では利便性の面で新幹線の方が有利な状況にあります。

しかし、手荷物検査で乗車までに時間がかかるようになれば、逆に飛行機が有利になるかもしれません。

 

関連:【4時間の壁】東京~広島の移動は新幹線と飛行機のどちらが有利か?

 

利用者にとって不便になるだけでなく、鉄道会社としても飛行機との競争を考慮せざるを得なくなるのも、大きな課題と言えますね。

 

導入コストが大きい

手荷物検査を導入するとなれば、その設備や人員配置に多額の投資が必要になります。

特に、手荷物検査への投資は直接収益の増加に貢献するものではないため、すぐに導入しようという気にはならないでしょう。

 

国からの補助金があれば導入に前向きになるかもしれませんが、それでも全ての駅に導入するには莫大な資金が必要です。

仮にも、手荷物検査を導入した場合、その費用を埋め合わせるために運賃が値上げされる可能性も考えられます。

 

自由席がなくなるかも

手荷物検査の導入により安全対策が進めば、もしかしたら新幹線も飛行機と同じように全席指定席になるかもしれません。

また、飛行機のチケットのように、切符の購入に個人情報の登録が必要になるかもしれません。

 

さすがに、そこまでする必要はない気もしますが、もし世間が今以上にテロ対策に厳しくなった場合には、このようなことも少なからず考えられると思います。

今まで起こらなかっただけで、今後重大な事故・事件が起こらないとは誰も想像できませんからね。

 

まとめ:現実的に両立はほぼ不可能

このように仮にも荷物検査の導入を行った場合、新幹線のメリットである利便性が損なわれるのは間違いありません。

どちらかを重視した場合、もう一方は犠牲にせざるを得ない状態であるため、現時点で新幹線に手荷物検査を導入するのはあまり現実的ではないと言えるでしょう。

 

今後どうなるのかその対応は気になるところですが、どちらにしても重大事故・事件が起こる前に具体的な対策が出ることを祈るばかりですね。

 

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