あなたは、イラストを描くあるいはイラストの練習をする際に、トレースや模写をしているでしょうか。私も最初の頃はイラストを練習する際によく模写をしていました。

トレースと模写、どちらもお手本の絵を真似て描くことには変わりませんが、この2つは似ているようで微妙に違いがあります。

また、トレースや模写の技法を用いるにあたり必ず問題となるのが著作権の問題です。

今回は、このトレースと模写の違いや著作権の問題について解説していきます。

トレースと模写の違い

トレースとは

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トレース(トレス)は、元となるイラストや写真の上に紙をのせ、二重にしたところから、透けて見えた線を上からなぞって写し描くことを言います。

要するに、すでにあるものをなぞって描くといった感じです。

トレースを行う際に、よくトレス台という下から光を当てて写しやすくする機材を使うこともありますね。

トレス自体は何ら問題のあることではなく、単なる絵を描く技法の1つです。

 

模写とは

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模写は、トレースとは違って元となるイラスト・写真の上に紙をのせず、あくまでもそのイラストや写真の特徴や構図を参考にして同じように描くことです。

お手本のイラスト・写真の上から写して書くのではなく、お手本を見ながら書くのが模写といった感じですね。

また、トレースであれば線を上からなぞるだけで良いので、その元となるイラスト・写真と完全に重なる絵を描けます。

しかし、模写の場合には、あくまでも目で見たことを参考にして書いた絵なので、完全に元のイラストと重なるような絵を描くことは、ほぼ不可能です。

これがトレースと模写の一番の違いと言えます。

ただ、厳密に言うとトレースは模写の一種でありほぼ同じ意味を持つため、どちらの言葉を使うかは、各個人の感覚次第と言えます。

人によってもまちまちなので、基本的には「どちらも同じような意味と持っている」と思っていても問題ないです。

何が著作権上問題となるのか

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トレースと模写に関して、切っても切り離せない問題として著作権の問題があります。

トレースと模写のどちらであっても結局のところ、イラストを描く際の技法に過ぎないので、個人の範囲内(イラスト練習など)で楽しむだけならば、何ら問題はありません。

しかし問題となるのは、そのトレース・模写したイラストを、あたかも自分がオリジナルで書いたかのようにして公表したり、さらに商業目的で利用することがあります。

例えば、トレースや模写したイラストをpixivなどにアップしたとします。

これは例え、タグやコメントに「トレース・模写で描いた」ということを記載しても、元のイラストの製作者が著作権侵害だと訴えてしまえばアウトです。

元の著作権が許可を出している、あるいは版権元が二次創作についての規定を定めているのであれば、その範囲内で二次創作をするのであれば問題ありません。

しかしそれ以外の場合、トレース・模写した絵を公表するのは、例え商業目的でなくてもグレーゾーンであり「訴えられなければ良い」という状態になっているのが現状です。

極端な話、著作権のことで面倒なことに巻き込まれないようにするならば、完全そっくりにトレース・模写したイラストはネット上などに公表しない方が無難と言えます。

もし、公開するのであれば自己責任でとしか言えません。

個人的な考えを一言

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現代インターネットが普及したことで、これまで以上にイラストに触れる機会が増えてきましたが、それと同時に著作権の問題も出てくるようになりました。

もちろん、著作権の侵害は悪いことですが、個人的には、著作権の問題があまりに大きく取り上げられすぎて、逆に「独創的な作品が生まずらくなる危険性があるのでは」とも感じています。

著作権に過敏になり、ちょっと構図やポーズ、作風が似ているだけで、「パクリ」や「盗作」と疑われてしまうことで、批判を恐れてイラストが描きずらい環境になってしまったり、意図しない批判でその人が傷つくといったことが起こり得るという思いがありますね。(現に起きていることですが・・・)

個人的な考えとしては、トレース・模写したものを商業目的で使うのはさすがにNGですが、トレース・模写したとものであっても、その事実を明記した上で、商業目的でなく私的な利用(単純に人に見てもらいたいなど)であれば、そこまで過敏にならず自由に公表しても良いのではと思います。

元の著作者、版権元がダメだと言っている場合や規定に違反している場合はダメですが、そうでなければもう少し寛容になってもいいのではと思いますね。

明確な線引きが分かりずらい非常に難しい問題ですが、気づかない間に表現の自由を縛っているようにも見えるのが個人的にはちょっと残念です。

まとめ:模写やトレースは個人で楽しむだけの方が良い

このようにトレースは元のイラストを上からなぞって写し描くことであり、模写は元のイラストを参考にして真似て描くことです。ただ、厳密にはどちらも同じ「何かを真似て描く」ことには変わりません。

著作権については非常に複雑であり、どこからどこまでが大丈夫なのかその線引きも曖昧です。

ただ、完全なトレースや模写したものを公の場で公表するのは控えた方が無難と言えます。

特に、商業目的にトレース・模写したものを使ってしまうと著作元から訴えられるといったこともあります。

イラスト練習など個人で楽しむ分には問題ありませんが、ネット上など公の場でトレース・模写したイラストを公表する場合には十分注意してください。公開するのであれば、その著作者侵害のリスクを理解したうえで自己責任で行いましょう。