夜行バスと言えば「座席」で寝るのが一般的ですが、この記事を見ているあなたは「なんで夜行バスに寝台(ベッド)がないのか?」と疑問に思っていることでしょう。

かくいう私自身も「夜行列車やフェリーには寝台があるのに、なぜバスは全部座席なのか?」と疑問に思ったことがあります。

 

夜行バスの快適性はここ数年で確かに向上したものの、どんなに豪華な夜行バスに乗っても所詮は「座席」なので、ベッドで横になって寝ることに比べれば快適性は大きく異なります。

今回は、「なぜ日本に寝台バスが存在しないのか?」その理由について書いていこうと思います。

寝台バスが日本に存在しない理由

寝台バスが日本に存在しない理由は「道路運送法」と「道路運送車両法」の法律による規定にあります。

これらの法律によると「高速道路を運転する際は全ての人にシートベルトの着用義務がある」とされています。

 

高速を走らない路線バスにシートベルトの着用は義務ではありませんが、高速を走る夜行バスの場合は必ずシートベルトを着用しなくてはなりません。

そのため、どんなに夜行バスの座席を改良してもシートベルトの規定がある以上、完全なフルフラットにすることはできないのです。

 

ちなみに、現状の法律においては、生身の人間を寝台に乗せて運べる車両は「救急車」や「患者搬送車」「霊柩車」といった一部の特殊車両に限られています。

また、ベッドを搭載した「キャンピングカー」もありますが、例えキャンピングカーでも運転中にベッドを使用することは道路交通法上、違反となります。

 

結局のところ寝台バスの実現には「法律」という大きな障壁がある以上、例えどんなに需要があっても作ることができないのです。

 

寝台バスが実現できなかった背景

実は、かつての日本でも寝台バスを導入しよう試みた事例が、1960年の札幌市営バスでありました。

しかし、上下二段式の寝台にした結果、車両の重心が高くなり横転事故を起こしてしまったため、その時に法律上でも寝台バスの採用が見送られてしまいました。

過去の事例があり、なおかつ現代でも普通の高速バスですら安全性に疑問や不安を抱えているため、寝台バスが日本に登場することはないかと思います。

寝台バスは本当に実現不可能なのか?

シートベルは法律上、着用義務となっていますが、例え完全フルフラットのシートでもシートベルトを着用することは不可能ではありません。

例えば、国際線航空機のファーストクラスやビジネスクラスの座席では、完全フルフラットながらもシートベルトを着用することができます。

そのため、技術的には寝台バスを作ることは決して不可能ではないと言えます。

 

しかし、バスの場合は飛行機ほどのスペースはなく、寝台は座席に比べてスペースを取るので、バス1台あたりの乗車定員は大幅に少なくなります。

定員が減ると利益を出すためには単価を高くする必要があるので、寝台バスは夜行バスのメリットである「安さ」を実現するのが難しくなります。

 

また、寝台席を設けてしまうと日中の高速バスに転用することができず使い勝手が悪いので、仮にも寝台バスを作ったとしても採算が取れるか分かりません。

そのようなバス会社の事情を踏まえると、例え技術的には可能でも、採算的な問題や前述の安全面が大きな障壁になることは間違いありません。

 

まとめ:寝台バスに乗りたくても日本では無理

このように日本において寝台バスは「道路交通法上の制約」や「安全上の問題」「採算性」などの面から、構想はあっても実現には至っていません。

個人的には、寝台バスであれば多少値段が高くても利用したいと思うのですが、安全面のことを考えるとやはり寝台バスは難しいのでしょう。

自動運転や安全装置の技術がより進歩すれば不可能ではないかもしれませんが、それが実現する頃には私は既にこの世にいないかもしれませんね。笑

どうして寝台に乗りたい方は「寝台特急サンライズ瀬戸・出雲」を利用してみてはいかがでしょうか?

 

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