目的地を細かく指定でき、終電後も利用できる貴重な移動手段の1つ「タクシー」
ただタクシーは便利な一方で、他の公共交通機関と比較しても料金が非常に高いことでも知られています。
タクシーが高い理由としては
- 車の維持費が高い
- 人件費が高い
- 国の規制で運賃が下げられない
ことの3つが大きな理由として挙げられ、世界的に見ても日本のタクシーは割高となっています。
今回は、なぜ日本のタクシー料金は高いのか、その理由について書いていこうと思います。
日本のタクシーが高い理由
車の維持費・点検費が高い
タクシーを営業するためには必然的に自動車が必要ですが、日本の自動車は税金や維持費が高く、車を持つことだけでも高いコストがかかります。
これは若者の車離れでも指摘されている原因ですが、自動車取得税や自動車税、重量税など欧米諸国と比較しても車にかかる税金が約3倍~40倍程高いです。
これだけなら自家用車も同じですが、タクシーの場合はこれに加えて
- 走行距離が長く、タイヤや部品の摩耗・劣化が激しい
- ガソリンの消費量が多い
- 自動車保険料も自家用車より高い
といったことで、全体で見ると自家用車よりも圧倒的に維持費は高くなります。
さらに、タクシーは営業用の車ゆえに、毎年車検が必要になるのも高い維持費の原因となっています。
日々消耗する車を維持する費用に、毎年発生する税金、車検費用など、タクシー営業のために必要な原価が高すぎるのが最も大きな原因と言えます。
人件費が高い
タクシー料金が高い2つ目の理由は、タクシー運転手の人件費が高いことです。
日本での人件費が高いことは他の産業でも同じですが、タクシー運転手の場合は利益に対する人件費が占める割合が非常に高いです。(約7割~8割ほど)
しかし、高い人件費の割にタクシー運転手の収入が高いという訳でもなく、長い労働時間や過酷な勤務内容に対して給料は20万前後と低めです。
また、タクシー運転手の給料の多くは歩合制なので、例えタクシー料金を下げたとしても需要が増えなければ、さらなる賃金低下を招く危険があります。
タクシー料金は認可制
タクシー料金が高い3つ目の理由は、タクシー会社が自由に運賃を決めることができないことです。
タクシー料金は認可制であり、各事業者が国土交通大臣に申請し、認可を受けなくてはなりません。
これは「道路運送法 第九条の三」で定められているため、企業努力だけはどうしよもできない問題です。
維持費や人件費は企業努力で改善できるかもしれませんが、こればかりは法律が絡んでくるため、運賃の値下げは容易ではありません。
車の安全に関わることから安ければ良いという訳ではありませんが、国の規制にある以上、そう簡単に料金を安くすることはできないのです。
まとめ:原価が高すぎる故に運賃も高い
このようにタクシー料金は、
- 車の修理・メンテナンスに必要な維持費
- 毎年の車検費用
- 高い人件費
- 認可制ゆえに値下げが難しい
という4つことが原因で高い料金となっています。
元々車の維持費や人件費が高いだけでなく、法律でも運賃設定に制限がある以上、そう簡単に料金を安くすることはできません。
タクシー料金が高いと感じるのも無理ないですが、高い料金のおかげで十分な安全性とサービスが保証されていることを考えれば仕方がないとも言えますね。
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