香港・シンガポール発、今年ならではの船旅「クルーズ・トゥー・ノーウェア」

 今、香港やシンガポールで大きな話題になっているクルーズプランがあります。2020年11月に開始されたばかりのそのクルーズプランの名前は、「クルーズ・トゥー・ノーウェア」。正式名称は英語で、”Cruises to Nowhere”、日本語に翻訳すると「目的地の無い船旅」になります。…何だか、詩的な響きだと思いませんか?よけい気になってしまいますよね!

 本記事では、そんな大注目の船旅プラン、「クルーズ・トゥー・ノーウェア」をご紹介します。

「クルーズ・トゥー・ノーウェア」はどこにも寄港しない船旅

 「クルーズ・トゥー・ノーウェア」は、その名称の通り、「どこにも向かわない」、つまりどこにも寄港しないユニークな船旅です。通常の船旅とは異なり、コロナウイルスの感染防止の観点から、乗客は旅中にどこかに上陸することなく、出発したのと同じ港へ帰ってきます。また、乗客数は通常のキャパシティの50%以下に抑えられ、当然、消毒等の衛生管理・対策も入念に行なった上で旅路につきます。期間は2、3迫と短めに抑えてあります。旅先での観光を楽しむ代わりに、クルーズ船内でのひとときを楽しみ、ストレスフルな毎日から抜け出そう、というコンセプトです。コロナウイルスの感染拡大の影響で生まれた、まさに2020年ならではのトリッププランと言えます。

 白羽の矢がたったクルーズ船は、11月6日に既にプランを開始しているGenting Cruise LinesWorld Dream(ワールド・ドリーム)号と、12月から開始予定のRoyal Caribbean InternationalのQuantum of the Seas(クォンタム・オブ・ザ・シー)号の二隻です。

「クルーズ・トゥー・ノーウェア」の楽しみ方

 それでは、どこの目的地にも上陸することのない「クルーズ・トゥー・ノーウェア」の楽しみ方とは、一体なんなのでしょうか?その答えは、「クルーズトリップ自体」ということになるでしょう。3D映画鑑賞、ジャクジーやスパ等のリラクゼーション&ウェルネス体験、豪華なディナー、カジノといった非日常体験です。

 クルーズをよく利用する客の多くは、クルーズ自体も好きで楽しんでいる傾向があるので、これは非常に有意義な試みではないでしょうか。そういった顧客は、目的地がある普通のクルーズトリップであっても、船上で上記のようなアクティビティを楽しんだり、仕事や日常のいざこざを忘れてのんびりするのが好き、というわけです。「船上カジノ」なども、ギャンブルの楽しみ方のジャンルの一つのように捉えられており、そのためだけにクルーズに乗船するギャンブラーも多くいます。カジノというと、AlohaSharkのようなオンラインカジノ人気が高まる昨今ですが、こんな船旅プランが登場すると、ランドカジノにもまだまだ新しい可能性があるのだな、と感じずにはいられません。

 また、「クルーズ・トゥー・ノーウェア」は乗客数が限られていることと特殊な状況下での敢行になるため、乗客同士で親密な時間が過ごせるかもしれませんね。

世界各地で同様のプランが始まっている

 いかがでしたでしょうか?船旅ファンの心理や需要をよく理解した、中々画期的な試みですよね。「クルーズ・トゥー・ノーウェア」はその人気っぷりから、香港やシンガポールだけではなく世界各地で同様の取り組みが始まっているようです。ぜひ、日本にも上陸してほしいですね。